皆さん、コーヒーはお好きですか?

子供の頃は苦くて苦手だったけれど、今では欠かせない存在なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。
日本のコーヒー消費量は世界4位であり、日本人のコーヒー好きは相当のものということがわかります。



そんなコーヒーは嗜好品として、古くから親しまれてきました。
コーヒーの始まりは14世紀ごろ、エチオピアの羊飼いであったカルディが、ヤギがコーヒー豆を食べるところを目撃して、飲用としての使用を思いついたことによるといわれています。


日本では江戸時代である17世紀、出島で行われていたオランダとの通商の中で、オランダ人からコーヒーが持ち込まれたとされています。
それから現在に至るまで、ミルクやお酒と組み合わせたり、煎る方法や時間を変えたりなど様々な工夫を凝らし、世界中の人々に親しまれる飲み物として今の地位を築きあげてきました。

ところで、そんな人々の生活に欠かせないものとなっているコーヒーの原料であるコーヒー豆は、どこで作られているかご存知でしょうか。

2019年のデータ
1位 ブラジル(3,009,402トン)
2位 ベトナム(1,683,971トン)
3位 コロンビア(885,120トン)
4位 インドネシア(760,963トン)
5位 エチオピア(482,561トン)

予想はしてましたが、やっぱりブラジルが1位なんですね〜


ベトナムコーヒーやジャワコーヒーのように、国名や地域名がコーヒーの名前になっていることも多いので、皆さんもなんとなく予想がついていたのではないでしょうか。


コーヒー豆は世界60か国以上で栽培されており、その種類は実に200種類以上とされています。


さてここで、一つ疑問が浮かびます。
これだけ世界中に広まっているコーヒーは、日本では作られていないのでしょうか。
今回は「国産コーヒー」についてご紹介したいと思います。

国産コーヒーについて

日本地図

結論から言うと、国産コーヒーはあります!


しかもその歴史は古く、1878年に東京農業大学の創始者でもある榎本武揚が、インドネシアのジャワ島からコーヒーノキの苗を持ち帰り、小笠原諸島で試験栽培したのが始まりとされています。


この苗木は無事に育ち、4年後にはコーヒー豆を収穫するまでに至りましたが、経済的な事情や戦争などの影響により、本格的な栽培が始まったのは戦後からとなりました。そして現在では、沖縄県や鹿児島県、小笠原諸島を中心にコーヒー豆の生産が行われています。


では、それぞれのコーヒーについてご紹介していきたいと思います。



小笠原諸島産コーヒー

小笠原諸島

国産コーヒーのルーツである小笠原諸島産コーヒーは、深いコクとフルーツのような甘みが特徴の豆です。


毎年やってくる台風の被害を乗り越えた希少な豆を、一粒ずつ丁寧に手作業で収穫していきます。


年間収穫量は約200㎏とかなり希少な豆であり、国内でも限られた店舗でしか楽しむことのできないレアなコーヒーです。

沖縄県産コーヒー

沖縄

沖縄には「名護コーヒー」、「石垣島珊瑚珈琲」など様々な種類のコーヒーがあり、もちろんそれぞれが別々の豆を使っています。


その中でも「沖縄コーヒー協会」が生産している沖縄コーヒーが、現在注目されています。
沖縄コーヒー協会は良質な国産コーヒーの安定供給と日本のコーヒー文化の向上のために設立され、台風や手摘みの労働力の問題を乗り越えて、世界中に沖縄コーヒーを広めるという目標を掲げています。


そんな沖縄コーヒーは上品な香りとバランスの取れた味が特徴で、どこか日本の風味を感じさせる、和菓子とも合うコーヒーになっています。

鹿児島県産コーヒー

鹿児島

鹿児島県沖永良部島で栽培されているノアコーヒーは優しい甘さと程よい酸味が特徴のコーヒーです。


クセが少ないため、コーヒーがあまり得意でない方にもおすすめできるコーヒーになっています。

ノアコーヒーは除草剤や化学肥料を一切使っておらず、自然の力とコーヒーノキの成長力を存分に生かした安全安心なコーヒーです。

国産コーヒーが希少なのはなぜ?

これだけコーヒー消費量が多いのに、どうして国産コーヒーは希少なのでしょうか。


その理由はコーヒーノキ栽培に適した環境にあります。


コーヒーノキ栽培に最も適している自然環境は、赤道を挟んで南北25度以内にある熱帯・亜熱帯性地域です。
この範囲はコーヒーベルトとも呼ばれており、先で紹介した生産量ランキング上位の国はほとんどこのコーヒーベルト内にあります。
日本はその範囲から外れているため、コーヒーの生産に適した環境であるとは言えないのです。


事実、コーヒーの国内自給率は1パーセントにも満たない数値になっています。

今後、国産コーヒーの生産量は増えていくか?

日本の自然環境ではコーヒーの生産を発展させることは難しいことだということがわかりました。


では、国産コーヒーは希少な存在のままなのでしょうか。


実は、岡山県発祥のある技術が国産コーヒーの発展を手助けするのではないかと言われているのです。


その技術とは、「冷凍解凍覚醒法」というものです。

簡単に説明すると、種子を一度冷凍することによって、氷河期のようなストレスを与え、遺伝子に記憶されていた能力を最大限覚醒するというものです。


この「冷凍解凍覚醒法」は、もともと岡山でコーヒーと同じく熱帯が原産のバナナの栽培に用いられていた技術であり、それを応用することで国産コーヒーの拡大に役立つのではないかと言われています。

まとめ
今回は国産コーヒーについてご紹介しました。
コーヒーを毎日飲んでいるという方でも、国産コーヒーは飲んだ経験ないという方が多いのではないでしょうか。
今は希少で高価な国産コーヒーですが、前述の技術を生かして、近い将来手軽に楽しむことができるようになればと期待しています。