ご自宅でも、喫茶店でも飲む機会が多いコーヒー。

銘柄によって、味が異なることは有名ですが、挽き方によっても味が変わることはご存知でしょうか?同じコーヒー豆でも、挽き方の違いによって大きく味わいが変わります。

今回の記事では、抽出器具ごとに適した挽き方をご紹介していきます。

そもそもグラインドとは?

グラインドとは、焙煎したコーヒー豆をミルで粉砕し、粉の状態にすることを言います。

ただ粉にするだけではなく、粉にすることで、コーヒー特有の香りを、最も発することができるのです。また、コーヒーの成分を抜き出しやすくなるという利点もあります。極端に言えば、豆の状態でお湯につけておいても抽出することは可能です。

しかし、時間もかかり、抽出も不十分になります。豆を粉にすることで、表面積を増やし、成分を抜き出しやすくするのです。

注意したい点としては、粒の大きさに差異が出ないようにすることです。

細かい粒や大きな粒が混ざっていると、挽きムラとなってしまいます。粒の大きさが均一でなければ、本来の風味を堪能できません。また、使用する器具によって挽き方を変えることも大切です。

作曲家のベートーヴェンは、毎朝60粒のコーヒー豆を数えミルに入れ、丁寧に豆を挽き、朝のコーヒータイムを楽しんでいたと言われています。

ミルで挽く作業は、グラインドされている豆から、コーヒー特有の香りを十分に楽しみながら、コーヒーを淹れる時間を味わう、そんなひと時でもあると言えます。

挽き方のポイント

ミルでグラインドする上で、美味しいコーヒーを淹れるには、気を付けたいポイントが3つあります。

自宅でも美味しいコーヒーを飲むためにも、以下のポイントに気を付けつつ、コーヒー豆を挽いてみましょう!



コーヒーミルの種類や抽出方法に合わせる

コーヒーミル
コーヒーを抽出する器具によって、粉とお湯との接触の仕方が変わります。
挽き方が器具とあっていないと、豆の成分が十分に抽出されずに薄味のコーヒーになってしまったり、逆に抽出されすぎてしまい、苦みが強くなってしまったりします。
そのため、器具と挽き方の相性には気をつかい、器具にあった粒の大きさを意識してみてくださいね。

挽く時は必要量だけ、淹れる直前に挽くこと!

コーヒーは、粉の状態だと7~10日程度がおいしく飲める期間だとされています。
豆の状態で適切に保存すれば、30日程度はおいしく飲むことができます。

また、コーヒー豆は粉砕した瞬間に最も香りを発します。
その反面、表面積が増えるため、湿気を吸いやすく、酸化が進むため、風味が損なわれやすくなります。だからこそ、コーヒー豆は淹れる直前に挽き、すぐに使い切ることを心がけましょう。

粒の大きさは均一になるように挽く

コーヒー豆

細挽きや粗挽きが部分的にでも混ざってしまうと、抽出にもムラが生じてしまいます。

家庭用のミルの場合、ある程度の粒のバラツキは出てしまいますが、電動であれば、速度や回数を調整することで均一になるよう調整できる場合があります。

なるべく均一ば粒になるように調整しましょう。また、茶こしで微粉末を取り除いてから抽出することもおすすめです。

コーヒー豆の挽き方の種類

コーヒー豆を購入する際に、「挽き方はどうしますか?」と聞かれたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。

どれくらいの粗さで挽くかによって、コーヒーを淹れたときの風味に違いがでるのです。
粒の大きさを変えると、コーヒー豆にお湯が触れる面積が変わるためです。
粗くすればさっと抽出されるため、スッキリした味わいになり、細かくすればゆっくり抽出されるため、苦みや渋みが出やすくなります。
そんなコーヒー豆の挽き方は、細かさによって以下のように分けられます。

極細挽き

極細挽きは、最も目の細かい挽き方です。

細かさの目安は、上白糖の粒くらいのサイズです。細かく挽くほど苦みが増すため、エスプレッソのような濃く苦いコーヒーを飲む際に適した挽き方です。また、コーヒーの粉もそのまま飲む、トルコの伝統的なコーヒーである、ターキッシュコーヒーを淹れる場合にも適しています。

かなり目が細かいので、一般的に使用されるペーパードリップは向かないでしょう。

そのため、エスプレッソマシンで高圧で抽出するか、粉をそのまま一緒に飲むことが向いている挽き方と言えます。

細挽き

細引きは、上白糖とグラニュー糖の間くらいの粒の大きさで、苦みだけでなく、コクが生まれる挽き方です。

これでも、市販の粉よりは細かいため、こちらもペーパードリップには向いていません。オランダのコーヒーである、ダッチコーヒーのような、ウォータードリップと言われる、水出しコーヒーに適している挽き方と言えます。

中細挽き

中細挽きは、グラニュー糖くらいの粗さで、一般的なバランスがとれた味わいのある挽き方です。

そのため、市販のレギュラーコーヒーの粉タイプは、この挽き方が用いられています。

市販で最も主流のタイプですので、抽出方法も一番選択の幅が広いと言えます。簡単なペーパードリップやコーヒーメーカー、サイフォンなども抽出可能です。

中挽き

中挽きは、グラニュー糖よりも少し大きく、ザラメよりは少し細かい大きさが目安です。

中挽きのコーヒーは、布でドリップするネルドリップや、サイフォンでの抽出が適しています。粒の目が粗い分、コーヒーの雑味や苦みも出にくくなっているため、無駄な味がなく、スッキリとした味わいを楽しむことができます。

粗挽き

粗挽きは、最も目の粗いタイプです。粒のサイズは、ザラメくらいのサイズになります。

雑味が出にくく、苦みが少ないのが特徴です。粒が粗いため、お湯が通過する速さは他の挽き方に比べ早いのですが、コーヒーの成分の抽出には時間がかかるので、淹れるのに時間がかかる挽き方でもあります。

また、酸味が強い味わいになるので、フレンチプレスなど、直接お湯で煮出すような淹れ方にぴったりです。

また、一番さっぱりとした味わいになるので、コーヒーが苦手な人や普段コーヒーを飲まない人でも飲みやすいコーヒーであると言えます。

まとめ
今回はコーヒー豆の挽き方についてまとめてみました。
自宅で美味しいコーヒーを飲むには、挽き方も大切であることが分かりましたね。

皆さんも、挽く際に気を付けるポイントや、粒の粗さにこだわって、コーヒーを淹れてみてはいかかでしょうか。