突然ですが皆さんはエスプレッソコーヒーを飲まれたことがありますか?
私は一度学生の時に何も知らずに頼んで、思っていた大きさよりも遥かに小さいカップでエスプレッソが出てきたのをよく覚えています。(笑)
そしてかなり苦みが凝縮している大人の飲み物という印象も同時に受けました。さらにエスプレッソコーヒーは別名デミタスとも言われます。
このデミタスというのは、フランス語で”demi tasse”(ドゥミタス)のことで”une tasse”が1カップという意味で、demi(ドゥミ)が半分という意味なので、デミタス自体は半カップという意味になります。アメリカではドゥミタスがデミタスという発音になるので、何かの参考程度に頭の片隅にでも覚えておいてください。(笑)
そもそもエスプレッソとは?
そもそものエスプレッソとはどのような定義があるのでしょうか?
実は、細かく深煎りで挽いたコーヒー粉を専用のマシンにセットして、圧力によって抽出されたコーヒーのことを指すのです。
この語源はイタリア語で「急行」という意味の言葉で、しっかりと圧力をかけたお湯で短時間に一気に抽出することからことが由来です。
エスプレッソは短時間で一気に抽出するため、コーヒー豆の雑味成分が溶け出ずに旨みが凝縮した仕上がりになるのが特徴です。
普通、約7~8gのフレッシュな極細挽きの豆を使い、9気圧で90度の熱湯20CC~30CCを20~30秒かけて抽出したものがエスプレッソとされています。
コーヒーとエスプレッソとの違い
そしてコーヒーとエスプレッソの違いはずばり一杯あたりの量が異なるということです。
コーヒーは約120〜150mlで提供されるのに対して、エスプレッソは約25〜30mlで提供されます。その差は100ml近くあり、エスプレッソは量の少なさから味もギュッと凝縮されるようなイメージで深く濃い味わいなのが特徴です。
また、コーヒーを淹れるにはペーパーフィルターを使用してあらかじめ挽いておいた豆をこしながら抽出していく「透過法」という種類の抽出方法ですが、エスプレッソを淹れるには電気式や直火式の圧力を利用して濃度の高いコーヒーを淹れる専用のマシンが必要です。
さらにエスプレッソはカフェインが少ない飲み物であり、同じ量の豆を使ってペーパードリップしたコーヒーと比較して約半分のカフェインしか入っていません。
このことから、コーヒーは好きだけどカフェインの過剰摂取を気にする方や胃への負担が心配な方には嬉しい飲み物でもあります。まとめると、コーヒーとエスプレッソは一杯あたりの量と使用する器具、一杯当たりのカフェイン量がコーヒーとエスプレッソの主な違いです。
正しいエスプレッソの飲み方
ここからは正しいエスプレッソの飲み方を見ていきましょう。
よく間違った飲み方として勘違いされているのはストレートで飲むということです。正しくはシュガースプーンに山盛り一杯の砂糖を入れて軽く混ぜて一気に飲む方法です。
あまり混ぜすぎてしまうとエスプレッソの上にあるヘーゼルナッツ色の泡がなくなってしまうので要注意です。この泡はクレマと呼ばれ、コーヒー豆の中にある二酸化炭素が抽出したときにでてきたものです。そしてクレマの中にはエスプレッソ特有の華やかな香りが閉じ込められているのです。
ちなみに飲み終わりに底に溜まった砂糖をスプーンで食べるのもイタリアでは普通で、日本では行儀が悪く感じられますがこれが正真正銘のエスプレッソの嗜み方です。
シアトル系のエスプレッソ
次に、エスプレッソの中でもシアトル系のエスプレッソというものをご紹介します。
エスプレッソはイタリアやフランスで最も愛されている飲み物ですが、アメリカのシアトルでもエスプレッソが非常に親しまれています。
しかし、シアトルではイタリアのようにエスプレッソをスプーン山盛り一杯の砂糖と混ぜて飲むよりも、カプチーノやカフェ・ラテ、またはキャラメルシロッップやチョコレートシロップを使ったフレーバーコーヒーにして飲むことが多いです。
日本のスターバックスやタリーズはシアトル式コーヒショップと言えます。このイタリア、フランス式とシアトル式飲み方のどちらにも共通するのは香りを楽しむことです。
飲む前にまずは豊かな香りを楽しんだ後、一気に飲み干して、芳醇なコクと香りがからだ中に巡るのを味わいます。
業務用エスプレッソマシンについて

最後に、家庭用と業務用のエスプレッソマシンを比較しながら説明します。
家庭用の全自動エスプレッソマシンは1万円~20万円程度で購入可能ですが、業務用と比較してミルクを泡立てる力や抽出する圧力が弱いというデメリットがあります。
さらに業務用に比べ1杯淹れるまでの時間がかかるだけでなく、抽出の圧力が弱いと厚みのある上質なクレマを作る事ができないので微妙な味の違いが生まれてしまうこともあります。また、小さいサイズなので置く場所に困らないというメリットはありますが、その分連続して淹れる事ができる杯数も少ないです。
一方、業務用全自動エスプレッソマシンは30万円~300万円程度とマシンの大きさや付属している機能によって価格に多少の差はあります。
そして、家庭用と比べるとどの業務用の全自動エスプレッソマシンも抽出の圧力や連続して淹れる事ができる杯数が優れているので、飲食店などで使用する場合には最適です。
さらに購入後のサポート体制や部品の耐久性も高いので、何かトラブルがあった場合でも営業への影響が最小限で済みます。
よって、家庭用よりもサイズが大きい事と、マシン本体以外にも設置費用などの費用もかかるので用途に応じて選ぶのが得策です。
今回は別名デミタスコーヒーとも呼ばれるエスプレッソコーヒーについてまとめました。
名前の由来やよく知らなかった正しい飲み方を知ることができたのではないでしょうか。
この記事を読んでエスプレッソが飲みたくなったら、一度コーヒーブレイクを取って一休みしてくださいね。