せっかくいいコーヒー豆を買っていたとしても、その淹れ方、もったいないかもしれません!
今回は、温度や量など基本にこだわった、ドリップコーヒーの美味しい淹れ方をご紹介します。
水の種類・温度は?
水の種類

コーヒーの約99%は水です。ドリップコーヒーをより美味しく淹れるには、使用する水にこだわってみてはいかかでしょうか。
水道水やミネラルウォーターなど、使う水によって引き出される水コーヒーの味わいが変わってきます。
コーヒーに向いている水の硬度は、「軟水~中硬水」です。コーヒーの成分は、ミネラル分と反応しやすい性質をもっています。硬水のようなミネラル分の多い水で淹れると、味わいが変化してしまい、コーヒーのもつ酸味を感じにくくなる傾向があります。
軟水でコーヒーを淹れた場合、ミネラル分が溶けにくいため、マイルドな味わいを楽しむことができます。ちなみに、日本で販売されているミネラルウォーターの多くは軟水です。
一方、硬水でコーヒーを淹れた場合、輪郭のある苦味をしっかりと感じ取ることができ、煎り度合いとは別の、水の硬度差による苦味を堪能できると言えます。
ヨーロッパなどは、硬水が一般的なため、エスプレッソのような苦味を楽しむコーヒー文化が発達したと言えます。
水の温度
コーヒー豆から味の成分を抽出するのは、お湯です。
このお湯の温度の違いによって、成分が抽出されるまでの時間にも違いが現れます。一般的に、お湯の温度が高いと味の抽出スピードは早くなります。反対に、お湯の温度が低いと味の抽出スピードは遅くなります。
また、お湯の温度は抽出のスピードだけでなく、抽出される成分にも違いが生まれます。
お湯の温度が高いほど、苦味が出やすく、お湯の温度が低いほど、酸味が出やすくなるのです。
しっかりとした酸味のフルーティーな味わいが好みの方は、「温度が低めのお湯」、苦味が効いたワイルドな味わいが好みの方は、「温度が高めのお湯」で淹れることをおすすめします。
ただし、沸騰しているお湯で淹れるのは禁物です!
熱すぎるお湯で淹れてしまうと、コーヒーの雑味まで抽出されてしまいます。お湯の温度は、80℃~95℃が理想的です。その中で、高めのお湯であれば90℃~95℃、低めのお湯であれば80℃~85℃がベストと言えます。
カップの選び方は?

見落としがちなカップへのこだわり。
せっかく丁寧に淹れるなら、最高のカップで飲んでみるのもいいのではないでしょうか?
一般的にコーヒーカップは、紅茶用のカップに比べ全体的に厚みがあり飲み口が狭いのが特徴です。背が高めで、底と飲み口の大きさがあまり変わらないものが多い印象です。これは、コーヒーが少しでも冷めにくいように飲み口が狭くなっているのです。
日本で最もポピュラーなコーヒーカップは、レギュラーカップと言われる、一般的に喫茶店やカフェで出てくるものです。
厚みがあり、コーヒーが冷めにくくなっているため、基本的にはこちらのカップを選ぶと、外れはないと言えます。素材としては、保温性を重視するなら陶器製、高級感を演出したいのであれば磁器製がおすすめです。
本格的な味を手軽に!
ハンドドリップで淹れるならペーパーフィルター

ハンドドリップの中でも、最も手軽でポピュラーなのがペーパーフィルターを使って淹れる方法です。
使い捨てでしようでき、お手入れが簡単なのがうれしいポイントです。しかし、抽出の仕方によって、味わいに違いが出てきます。
安定的に、美味しいコーヒーを淹れられるよう、ペーパードリップの基本をご紹介します!
コーヒーサーバー メジャースプーン コーヒーカップ コーヒードリッパー※フィルターで抽出されたコーヒー液を、サーバーに落ちるまで受けとめるのがコーヒードリッパーの役割です 細口のドリップポット※お湯を注ぐスピードや量をコントロールしやすくなります

ステップ①
組み立ての水をお好みの温度に沸かします。
このとき、ドリッパーやサーバーなどの抽出器具、カップやソーサーも温めておきましょう。コーヒーを淹れる過程で、器具による温度低下を防ぐことができます。
ステップ②
ペーパーフィルターの接着部分を折り、セットします。ドリッパーから浮いてこないよう、側面と底の部分を逆方向に折ると、安定させることができます。
その後、コーヒー1杯分で約12gを目安にメジャースプーンで計量し、フィルターに入れ、粉を平らにします。この時、偏りがあるとコーヒー全体から成分を抽出することができなくなってしまいます。
ステップ③
コーヒーの粉全体に、1杯分なら20ccほどを目安に均一に注ぎ、20秒ほど待って蒸らします。この蒸らす工程を飛ばしてしまうと、コーヒーの成分をしっかりと引き出すことができず、軽い味のコーヒーになってしまいます。
ステップ④
蒸らしが終わったら、粉の中心から「の」の字を書くように、お湯がフィルターに当たらないよう、低い位置から注いでいきます。80cc→40cc→20ccと3回に分けて淹れると、出来上がりが140ccと、標準的なコーヒーカップ1杯分になります。
ここでポイントになるのが、注いだお湯が落ちきる前に、次のお湯をいれること。気を抜かず、お湯の落ちる状態をよく見ておきましょう!
ステップ⑤
サーバー内のコーヒーを軽く回して均一に整えたのちに、カップに注ぎます。
あとは美味しくいただくのみです!!
ちょっとマニアック?サイフォン式の特徴・淹れ方について

サイフォンは1世紀の初め頃にヨーロッパで開発されました。
蒸気圧を利用してお湯を押し上げ、高い温度のお湯とコーヒーの粉を浸透させて抽出する方法です。香り高く、慣れると意外と簡単にコーヒーを淹れることができます。
へら コーヒー粉(中挽きがおすすめ) タイマー メジャースプーン
ステップ①
ペーパードリップ同様、コーヒーの粉を準備しておきます。あらかじめ、お湯を通したフラスコに、出来上がり量の二割増しのお湯を入れ、アルコールランプで沸かします。
ステップ②
フラスコ内のお湯が沸騰したら、火から一度離し、ロートにコーヒー粉を淹れてから火元に戻します。
ステップ③
お湯がロートに上がってきたら、1分間の計測をスタートし、木べらで粉がお湯に浸透するように全体を攪拌していきます。泡・粉・液体の3層に分かれれば成功です!
1分経ったら火を消し、もう一度攪拌してください。
ステップ④
コーヒーが完全に落ち終わったらロートを前後に振り、外します。
その後、あらかじめ温めておいたコーヒーカップに注げば完成です!!
もっと手軽に楽しみたい…コーヒーメーカーの淹れ方について

簡単に美味しいコーヒーを飲むことができるコーヒーメーカー。
使い方によっては、もっと美味しく淹れられるかもしれません。今回は、最もポピュラーである「ドリップ式コーヒーメーカー」の使い方についてご紹介します。
コーヒー粉 メジャースプーン
ステップ①
ペーパーフィルターの接着部分を折り、ドリッパーにセットします。次に、コーヒー粉を計量し、フィルターに入れ、粉の表面を均一にならします。
ステップ②
給水タンクに水を入れます。自動軽量タイプなら目分量でも大丈夫ですが、自分で計量するタイプであれば、目盛りに合わせてきっちり計りましょう。
ステップ③
コーヒーサーバーとドリッパーを正しい位置にセットし、電源を入れます。
機種によっては、テイストの設定や杯数を選択できる場合もあるため、ご自身のコーヒーメーカーを確認してみてくださいね。
ステップ④
コーヒーが全てサーバーに落ちたことを確認した、電源を落とし、サーバーを取り出します。
あとはカップに注ぐのみです。
コーヒーメーカーは手順が単純なので、一つひとつの工程を丁寧に計量して行うことで、より美味しいコーヒーを淹れることができます!
今回は、美味しいコーヒーを淹れる方法をご紹介しました。
基本的な工程を丁寧に行うことで、ご家庭でも簡単に美味しいコーヒーを淹れることができそうですね。
ハンドドリップからコーヒーメーカーまで、幅広くご紹介しましたが、ご自身にあった方法を試してみてはいかがでしょうか?